ずいぶん前のことです。
HCCのお客様に、陰と陽の世界を描く漫画家の方がいらっしゃいました。
毎日、仕事として陰の世界へ入り、その世界を描き続ける。仕事を終えて自分たちの生活へ戻るとき、その方はローズオットーの香りを嗅いでいました。スタッフの方々も、同じように。
ローズオットーの香りを境にして、作品の世界を離れ、それぞれの日常へ帰っていく。それは、制作を続けるための大切な儀式だったのだと思います。帰るための儀式があったからこそ、安心して深い場所へ入っていけたのかもしれません。
やがて一冊の漫画が完成しました。その本は、この香りにまつわるお話とともに、HCCへ届けられました。
作者のお名前も、作品名も、ここには記しません。
けれど、もしあなたが陰と陽の間を行き来する物語を読むことがあったなら、少しだけ想像してみてください。その深い場面を描き終えた夜、作者とスタッフは一人ずつローズオットーの香りを嗅ぎ、静かに自分たちの暮らしへ帰っていったのかもしれない、と。
陰をなくせなくても、陰から帰るための道はつくれる。
あなたにも、帰るための香りがあるかもしれません。


