「ラベンダーの精油を買おう」と調べると、ブルガリア産、フランス産と産地が分かれていて、どちらを選べばいいのか迷ってしまう。そんな声を、よくいただきます。
結論から言えば、どちらも同じ"真正ラベンダー"。優劣ではなく、香りの個性の違いです。1988年からラベンダーを扱い、両方を店に置いてきた専門店として、その違いと選び方を、正直にお話しします。
まず、ひとことで言うと
ブルガリア産は、穏やかで、バランスのよい香り。角がなく、ふんわりとまろやかで、優しく包まれるようなラベンダーです。
フランス産(フレンチ)は、ややシャープで、すっきりとした香り。甘さは控えめで、軽やかなハーブ感があります。
同じラベンダーでも、「まろやかで穏やか」か「シャープですっきり」か。ここが、いちばんの分かれ目です。
なぜ、同じ真正ラベンダーで香りが違うの?
どちらも学名は同じ Lavandula angustifolia(真正ラベンダー)。それでも香りが違うのは、育つ土地の気候や環境が違うからです。同じ品種のぶどうでも、産地によってワインの味が変わるのと似ています。
実は当店では、両方のラベンダーの成分を分析しています。その結果を見ると、世間で言われる「フランス産が上、ブルガリア産が下」という単純な話ではないことが分かります。
香りの穏やかさを作るのは、リナロールや酢酸リナリルといった成分。一方、シャープさや清涼感は、カンファー(樟脳)という成分によるものです。
ブルガリア産は、このカンファーがごく控えめ。だから、角のない、まろやかで穏やかな香りになります。
フランス産は、ラベンダーらしいフローラルの主成分が豊かでありながら、カンファーをはじめとするハーブ的な要素も含みます。だから、フローラルでありながら、すっきりと引き締まった香りに仕上がります。
どちらが上ではなく、それぞれの個性。両方を実際に分析し、扱っているからこそ、自信を持ってお伝えできます。
「産地」は、実は目安にすぎません
ここまで「ブルガリア産」「フランス産」と産地で分けてお話ししてきましたが、正直にお伝えすると、"産地"という分け方は、あくまで目安です。
以前、イギリスのコッツウォルズにあるラベンダー畑を訪れたことがあります。そこで驚いたのは、隣り合う畑なのに、香りがはっきり違ったことでした。理由は、畑ごと、栽培する人ごとに、育てているラベンダーの品種が違うから。同じ土地、同じ気候でも、品種が違えば、香りは変わるのです。
つまり、「フランス産だから必ずこう」「ブルガリア産だから必ずこう」と、きっちり線を引けるものではありません。産地はあくまで、香りの傾向をつかむための、大まかな目安。最後は、実際に嗅いで選ぶのがいちばんなのです。
私たちが両方を店に置き、一つひとつ香りを確かめて選んでいるのも、そのためです。

あなたには、どちらが向いている?
産地は目安、とお伝えしましたが、迷ったときのために、当店が実際に嗅いで選んだ二本を、香りの傾向でご案内します。
ブルガリア産が向いている方
- 眠る前に、ふんわり優しく包まれたい
- 甘さのある、やわらかなラベンダーが好き
- 刺激の少ない、穏やかな香りを求めている
フランス産が向いている方
- 甘すぎるのが少し苦手
- すっきり、爽やかに香らせたい
- ハーブのような軽やかさが好き
迷ったら、まずはブルガリア産を。いちばん多くの方に選ばれている、穏やかでバランスのよい、ラベンダーらしい一本です。
二つを、使い分けるという楽しみ
どちらか一つを選ぶ、と考えなくてもいいかもしれません。
穏やかに眠りたい夜は、まろやかなブルガリア産。気分をすっきり切り替えたい日や、甘さより爽やかさがほしいときは、シャープなフランス産。季節や気分によって使い分けられるのも、二つのラベンダーを持つ楽しみです。
同じ「ラベンダー」という名前の中に、こんなにも違う個性がある。その違いを知って選ぶことで、香りのある毎日が、少し豊かになります。
▶ 真正ラベンダー精油(ブルガリア産) ——夜、ふんわり優しく包まれたい方へ
▶ ラベンダー フレンチ精油(フランス産) ——甘さ控えめ、すっきり香らせたい方へ
どちらも、1988年の創業以来、多くの方に愛されてきた定番の香り。まずは気になる一本から、お試しください。


