働く人が心地よい香りは、お客様に伝わる ― サロン・教室を営む方へ
香りを選ぶとき、つい「お客様にどう感じてもらえるか」を先に考えます。けれど、長く香りの仕事をしてきて思うのは、いちばん大切なのは、その香りのなかで働く方、スタッフやご自身が心地よいかどうか、ということです。
作り手が気に入っている空気は、不思議とお客様にも伝わります。言葉にならない、手つきや声のやわらかさを通して。今日は、人をお迎えする"場所"を営んでいる方に向けて、香りの選び方を少し違う角度からお話しします。
お客様が受け取っているのは、香りだけではない
サロンや教室に流れる香りは、もちろんお客様のためのものです。けれど、その香りのなかで一日を過ごしているのは、ほかでもない、働くご自身やスタッフの方々です。
ここに、見落とされがちな大切なことがあります。施術や接客をする人が、その香りを心から気に入っていると、その心地よさは、本人も気づかないうちに、ふるまいの隅々ににじみ出ます。手つきのやわらかさ、声のトーン、間(ま)のとり方。そうした言葉にならないものを通して、お客様は「なんだか居心地がいい」と感じ取ります。
お客様が受け取っているのは、香りそのものだけではありません。その香りのなかで気持ちよく働いている人の、見えない笑顔まで受け取っているのです。
まず、働く人も意識する
ですから、サロンの香りは、まずご自身やスタッフの好みも意識します。「お客様受けするかどうか」より先に、「自分たちが毎日この香りのなかにいて、心地よいか」を基準にする。それは衣服と同様にその好みやセンスが見えない形、香りで表現できます。
その理由は、ふたつあります。
ひとつは、いま申し上げたとおり、働く人の心地よさが、巡りめぐってお客様の満足につながるからです。土台にいる人が機嫌よくいられる空間は、訪れる人にもやさしくなります。
もうひとつは、ずっと続けられるからです。義務で焚く香りは、忙しい日にはつい忘れられてしまいます。けれど、自分が好きで選んだ香りは、毎日自然に手が伸びます。「いつもの香り」が途切れずに続くことこそ、お客様に覚えていただくための、いちばんの近道です。
ラベンダーが、働く場に向く理由
毎日、長い時間そのなかで過ごすことを考えると、香りには「飽きないこと」「疲れないこと」が欠かせません。
ラベンダーは、この点でとても扱いやすい香りです。甘すぎず、重すぎず、主張しすぎない。一日中そばにあっても疲れにくく、スタッフの方の好みも分かれにくい。お客様にも構えさせず、働く人も心地よくいられる。人が長く過ごす場所に、これほど向いた香りもそうありません。
そして、「気づくか気づかないか」くらいのほのかな加減で香らせること。これが、お客様にも働く人にも、いちばんやさしい使い方です。強く香らせるより、ずっと上品で、ずっと長続きします。
香りは、いちばん静かな「働く環境づくり」
サロンや教室を営むということは、お客様をもてなすと同時に、自分やスタッフが毎日を過ごす場所をつくる、ということでもあります。
その場所の空気に、少しだけ心を配る。働く人が「この香りが好き」と思える空間にする。それは、いちばん静かで、いちばん長く効く、働く環境づくりかもしれません。そしてその心地よさは、必ずお客様にも伝わっていきます。
どの香りが、ご自身やお店に合うか。広さや営業時間に合わせた使い方も含めて、いつでもご相談ください。37年、香りひとすじでやってきた立場から、お店に長く寄りそえる一本を、一緒にお選びします。
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